恩惠織物 은혜직물
新しい工房との出会いがありました。
『恩惠織物』…ソウル・望遠洞に工房を持つテキスタイルブランドをご紹介します。
十長生や済州道のトルハルバンや海女、菜の花…少し懐かしみのあるモチーフを用い、布団・まくら・ポーチやクッションなど多様なリビングアイテムを製作されています。
※現在店舗は開店されておられません。
映画を作られていた代表のカン・ジョンジュさんがマーケティング・広報など運営を、服を作られていたチョ・ウネさんがデザインと縫製を担当され、2015年ご夫婦で立ち上げられました。
伝統を継承するのではなく東洋のレトロスタイルを再解釈し、現代的な感性で表現されたアイテムは華やかな中にも郷愁が感じられ『オリエンタルレトロ』という言葉がふさわしいのではないでしょうか。
ブランドのアイコンは紺色のツバメ。ツバメは古の時代、安全に家族のもとへ帰るという意味を持ちます。また恵みや初心・家族の愛や幸福の意味も持ち、ブランドにぴったり!素朴で愛らしく慈愛を感じるのです。
今回ご紹介するにあたり韓国のメディアでのインタビュー記事も拝見し、彼らのことをいろいろ知ることができました。幼いころから古いものに興味を持たれ古着や骨董が山盛りに並ぶディープな町・東廟前は大好きな場所なんだそうです。「私たちは伝統を受け継ぐ人ではありません。その作業を着実にされる方々に失礼です。」と語っておられながらも大量生産を目標にせず、古いものが好きという彼らのアイデンティティーが盛り込まれ伝統を大切にされる姿がうかがえます。
韓国の織物業界で生き抜くことのご苦労、工房のある望遠洞への愛着、済州島への移住の夢や今後のこと…時間を上手に使われながら朗らかに前を向かれる姿に大ファンになってしまいました。
旅をこよなく愛されるお二人。
いつかのことです。4日ほど連絡が取れないと思っていたら「中国へ行ってました」と…投稿を拝見すると野原にポツン、テントを張って焚火をされていました。時間があると行動!日常とは異なる風景の中で得るインスピレーションが彼らの大きな糧となられることは間違いありません。
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デザインや機能美だけでなく、恩惠織物のアイテムが空間にあるだけで日々の忙しさを忘れ、平穏なやすらぎを与えてくれるようです。ぜひ日本の皆様にも『オリエンタルレトロ』を感じる恩惠織物のアイテムをご愛用いただけましたら…