屋台カルグクスと家族のドキュメンタリー

 


「韓国人は自分の感情を表に出さない。不当な扱いを受けても怒りに感情を内に秘め心の奥深くにしまっておく…それが恨(ハン)」


60代女性のこんなやるせない言葉から始まったあるドキュメンタリーを見ました。

初めにこの言葉を聞き「えっ」と正直戸惑いを感じ…
しかし30分の短編でしたが見終わった後、その意味を十分に理解することができたのです。



アメリカの大手動画配信会社Netflixが制作、アジアの屋台料理と屋台を営む料理人の人生を紹介したオリジナル作品「ストリート・グルメを求めて」。


バンコク、大阪、デリー、ジャカルタ、嘉儀、ソウル、ホーチミン、シンガポール、セブ…
アジア9都市の屋台の様子を美しく色彩豊かな映像で映し出し、見る側をわくわくさせる作品です。
市場が開くまでの静寂な気配、湯気がたちこめ料理を作る音や食べる音、人で混み合う喧騒や人々が去り薄暗い小さな電球だけを灯し片付ける様子…。
物語のように、屋台で働く数人の人にスポットを当てインタビュー形式で流れていきます。


 



韓国ソウルは広蔵市場が舞台です。

制作側の選択理由は数々の韓国の伝統の味を体験できる場だということ。ユッケ、キムパッ、チョッパル、スンデ、ポリパッ、ピンデトッ、チャプチェ…確かに広蔵市場では韓国の昔ながらの美味しいおふくろの味にたくさん出会うことができます。


 




早朝、ソウル市内のアパートの一室。

女性が身支度をするシーンから始まります。
髪をなで化粧をし、大きめのピンクのTシャツにポリエステルのズボンに着替え、足元はスニーカー。
そう、ドキュメンタリーの主役でもあるチョ・ユンソンさんが向かうのは広蔵市場です。


夫の事業が失敗し借金取りに追い立てられ専業主婦だった彼女は家族を守るためにこの広蔵市場で11年前からカルグクスの屋台を営んでいます。
厨房を中心にぐるりとロの字型に配置された客席にはカルグクスはもちろん、すいとんや饅頭を目当てに来た客で満席です。
手を交差しながら力を入れ生地をこねたり、ミルテ(麺棒)で軽快に伸ばしたり、包丁で細くトントン切ったり…休むことなく手は動きます。常にアンテナは張り巡らされ通りゆく客を呼び込むことも忘れません。


繁盛店になるまでには辛い出来事がたくさんあったそうです。
陰口、嫉妬、いやがらせ…何度涙を流されたのでしょう。
「図太くなったのよ」とさらりと答えられていますが、思い出したくもないさまざまな試練を乗り越え市場での生存競争に勝ち残られたのです。


「市場では恨を感じる。私はそれに耐えた。自分のことは二の次でいい。子供が幸せになるなら…子供の風よけになる。それが韓国人の生き方」


独りとぼとぼ市場へ向かう姿が映し出されました。
何を考え何を憂い、幾度この道を歩かれたのかを考えるだけで胸がいっぱいになりました。

大切な我が子を育て上げ家族を守る。このことだけがチョさんをかりたてる力です。
「オモニ」「母」という存在の強さをあらためて感じた作品です。
現在、背負った借金もすべて返済され2人の息子さんも立派に成長されました。
1人は教師、1人はホテルシェフになられ「母のような働き者を見たことがない」「自身が成功することが恩返し」と尊敬と感謝の言葉を述べておられました。


配信以来、チョさんの屋台には韓国の人はもちろんたくさんの外国人観光客が訪れるようになったそうです。後日韓国の新聞に取りあげられた母子の記事を見ました。ホテルシェフになられた息子さんが時折来店され饅頭をお客様にふるまわれ、母子は絶大な人気があるようです。

チョさんの息子さんを見つめるまなざしが優しく愛にあふれ…仲良く屋台の椅子に座り笑顔笑顔…。


記者が質問を投げかけました。

「今までは家族を守るために働かれていました。これからは何を目的に?」

愚問だったようです…。


「息子たちに助けを求めず暮らせる資金を用意すること。そして息子たちが結婚するときせめてチョンセ資金(住宅の保証金)を用意してやりたい。」と。


 


美味しい食べ物を目当てに必ず訪れる広蔵市場。
両側には壁や扉がある飲食店が建ち並び、店と店の間の通りに屋台がずらずらと並んでいます。
夏は暑く冬は寒さが厳しい過酷な環境でも月に1度しか休みを取らず働いている人がほとんどなんだそうです。きっとその方たちも家族を守るため…。


顔に汗をにじませ必死に働く女性たちひとりにひとりにストーリーがあり、抱えきれない苦しみや悲しみ、希望があるのだとこちらが力をもらったドキュメンタリーでした。


全ての店に立ち寄りご飯を食べたい気持ちになりました。
必ず、必ず、会いに!そしておいしく頂きたいです!





 

お買い物ガイド

お支払い方法
  • Amazon Pay
    Amazonのアカウントに登録された配送先や支払い方法を利用して決済できます。
  • クレジット
    引き落とし時期はクレジットカード会社により異なります。
  • 銀行振込
    ご注文後、5日以内にお振込ください。
    お振込確認後、商品を発送いたします。
  • 前払いコンビニ決済
    商品代金や配送料とは別に以下の手数料がかかります。

    2,000円未満 130円/回
    3,000円未満 150円/回
    4,000円未満 180円/回
    4,000円以上 200円/回

    「注文する」ボタンを押された後にコンビニエンスストアをお選びいただく画面が出てまいります。ご選択後完了となります。

    お客様のアドレスに決済会社よりメールをお送りいたしますのでそのメールに記載のお支払い方法に沿ってお支払いください。お支払い確認後、発送準備となります。
  • 商品代引き
    一律330円(税込)

    商品到着時、配達員に商品代金+送料+代引き手数料をお支払いいただきます。
お支払いについての詳細はこちら
配送について
  • [ 宅配便 ]

    本州・四国・九州 一律 600円(税込)

    北海道・沖縄・離島は別途600円(税込)かかります。

    10,000円(税別)以上お買上げで送料無料

    ■大型の商品についてはヤマト運輸の家財宅急便での配送になる場合がございます。詳細は各商品ページをご確認ください。
    ■商品及び商品点数によっては郵送となる場合がございます。
  • [ メール便 ]

    全国一律300円(税別)

    10,000円(税別)以上お買上げで送料無料

    ■ポスト・荷受け・新聞入れ 等に投函・配達するサービスです。
    ■ポスト投函後の「紛失」「盗難」「水濡れ」「破損」などの補償はありません。
    ■規定サイズ(A4サイズ、厚さ3センチまで)の範囲内の商品でしたら、同梱可能となります。
    ■メール便対応可能…商品を複数ご注文の際、組み合わせにより規定サイズを超えますと【宅配便】へ変更となる場合がございます。(その際はご注文を一時保留とさせていただき、当店より改めてメールにてご案内をさせていただきます。)
    ■ご自宅の郵便受けへの投函となりますので、代金引換はご利用いただけません。
送料・配送についての詳細はこちら
不良品・返品について

商品に不備があった場合のみご対応させていただきます。商品の返品・交換はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。商品が不良品の場合、または万が一、不良品が発見された場合は交換させていただきますので商品到着後7日以内に、メールにてご連絡ください。
また、当店では一部の商品につきまして天然素材を使用した商品や陶磁器・ハンドメイドの商品など、製品によって個体差が生まれる商品を多く取扱いさせて頂いております。入荷する商品はメーカーおよび弊社での検品基準をクリアした良品の範囲内となります。また印刷のかすれや色味が写真と異なる場合がございますが、 全て制作者の意図によるものですので返品対象外となりますことをご了承ください。

不良品・返品についての詳細はこちら
お問い合わせ
  • お問い合わせの際は以下までご連絡ください
  • MAIL: shop_info@plus-han.com