韓国伝統のパッチワーク
ポジャギ 246
衣服を縫う際に余ったハギレをつなぎ合わせ作られるポジャギ。
古来の使い方は包んだり、覆ったり、敷布として…日本でも人気のポジャギはカーテンの代わりに窓辺や壁に掛けたり間仕切りや額装にして…いろいろなアレンジで楽しまれています。
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今回は古い韓国の伝統布モシを使いながら、現代の職人が仕立てた長方形のポジャギをご紹介します。古の布に息づく穏やかな気配が、今の暮らしに静かなリズムを添えてくれます。
染めをほどこしていない自然のきなり色。
画像ではわかりにくいですが、ほんわり淡く濃い色の布も少量ですが一部に使用されています。また折り伏せ縫いで細かい目で縫製され、裏表のどちらから見ても縫い代が美しく仕上がっています。
水平に4つにゾーンが仕切られ、
四角・台形・三角が縦方向に流れながら配置されています。下のゾーンに向かうほど密度が緩やか…また目を引くのが上部端にある斜めの線のずれです。抜け感が出て新鮮です。
平台に置いた様子
すべてのポジャギに共通して言えるのですが平台に置いて見たとき、光を通して見た時の印象が全く異なるのです。かける方向をいろいろ変えられるとまた違う景色が見えます。
また古い布を再活用しており、ところどころに経年のあと(汚れと小さな茶点)が見られます。それもまた、布が重ねてきた時間のぬくもりとして作品に息づいき再生の美をご理解いただけましたら…
モシはポジャギに一番多く使われている材料です。
イラクサ科の多年草である苧麻(ちょま)の茎から作られ平織で作られた夏の布でトンボの羽衣とも呼ばれ、軽く繊細でサラサラ…涼やかな風合と共にふっくらとした柔らかさも兼ね備えています。
風と光を運ぶポジャギ…
ポジャギを通すと風はやわらかく、光に透かすと縫い目が浮き出て立体的にも見えとても美しいのです。
日の差し方による表情が異なりじっと見つめてしまいます。
朝のひかり、昼のひかり、夕方のひかり、夜の星、灯りをともしたひかり…
それぞれの時間、それぞれの風と光をお楽しみください…。
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かつて福を包んだ布は、現代の住宅事情を踏まえ、光や風を包み込み、空間をやさしく仕切る布へと姿を変えました。窓に掛けるのはもちろん、部屋と部屋の間仕切りやのれんとしてもお使いいただける、伝統の心が、現代の暮らしの形に寄り添う一枚です。小さなアイテムですがいろいろな使い方のできる伝統の知恵を生かしたファブリックです。
気分や季節によって気軽にインテリアの雰囲気を変えてくれます。
伝統を暮らしにプラスしてください…
□ 素材:韓国麻100%
□ サイズ:約80cm×120cm 吊布6cm含まず
□ 取扱いについて 水洗いできますがシワを伸ばすためには必ず半乾きのときにアイロンをおかけください。アイロンの温度は麻類は高温(スチーム可)です。多少の色落ちがございますので単品でお洗いください。手洗い。天然素材の生地の特性上、ネップや傷に見える箇所がある場合がございますが不良品ではありませんので予めご了承ください。ネップとは、生地の表面にぽっこりとした繊維の節が生地表面に出たものを言います。自然な素朴な味としてご理解いただけましたらと思います。
□ 織目が均一でない箇所がございます。