モクサゴルコンバン
花一輪 がま口バッグ 6
羅州に住む布作家 キムウェギョンさんのバッグをご紹介します。
布の染色からデザイン・制作までの工程をひとりの女性作家が手作業で作られたがま口タイプのバッグです。
コロンとした曲線で描かれた愛くるしいフォルムに大きな花一輪。
花と葉は韓服に使われるヤンダン(絹)が用いられ、華やかで韓国の伝統を感じます。少しピンクを帯びた赤い花びらと緑の葉の細部にわたる粋なデザイン、丁寧なステッチ、花芯にはビーズも施されとても愛らしいのです。ベース生地の上に置かれていますので浮き出て立体感が有ります。
こちらは柿渋染の布が使われています。
ナチュラルなしわ感と独特で使い込んだような風合いが魅力。火が通っていない柿をすりおろした汁を使いひとつひとつ手染めで仕上げられています。サイドの周囲にも中布のヤンダンが見えアクセントになっています。
バッグに中綿が入っていますのでふっくら厚みもあります。
中を開けるとハッとする雅かなヤンダン布。この対比に心躍りますね!
赤い丸玉のひねりも大きくキャンディーのよう…開け閉めが片手ででき使いやすく、がま口の金物と持ち手の牛革がクラシカルな雰囲気です。
ふだんの外出にはもちろん、和装の時にも…。
愛らしく、どこか懐かしい…伝統布を用いた羅州に住む韓国作家のカバン
日常を彩ってくださるとうれしいです。
○モクサゴルコンバンのこと…
工房を主宰されているキム ウェギョンさんはソウルから羅州へ移られ20年以上が経ちます。韓国の南に位置する全羅南道・羅州は古くからシルクの産地であり天然染色で有名な土地です。講習会で訪れその美しさに魅了されすっかり羅州の人になりましたとおっしゃられてます。
羅州で藍染を学び作品作りに没頭する傍ら、地域の高齢者と共に座布団や人形づくりなど工芸品を作る場も運営されています。コロナ禍では親指と人差し指が固くなるほど手を動かされました。「すべてが止まってしまったことを針が全てを忘れさせてくれるから」と。
「玉ねぎの皮、藍、マリーゴールドの花、漢方材料、紅花、柿渋、化学染料…色を出せる材料はなんでも試します。」
いつも前だけを向き進む作家にとってたくさんの賞が授けられたことは当然のことでしょう。
***
実はコロナ前に仁寺洞のセレクトショップでこのカバンに出会いひとめぼれをし、購入しました。コロナが明けたら!と思っていましたが残念ながらそのお店は閉店され…。その時からウェギョンさん探しの旅が始まりました。探して探してようやく縁が繋がり今回に至りました。偶然にもその時気に入って購入した花の布のブローチもウェギョンさんの作品だと知りました。
まずはバッグ…少しずつアイテムを増やしていきたいなと思っています。
□ 素材:バッグ…コットン(ベース布と中綿)、シルク
持ち手…牛革 金具…鉄 アンティークゴールド仕上 ひねり玉 プラスチック
□ およそのサイズ:W23*H28*D2cm(全長38cm)