羅州盤
李朝の道具〜ソバン41
ソバン(小盤)は李朝の時代から生活必需品として重宝された小さな脚付き膳です。厨房で作った料理をすぐに載せ、運び、そのままテーブルとして使われるまさに暮らしに寄りそう道具といえるでしょう。
使われてこそ美しい…浅川巧や白洲夫妻も愛したソバン。
数年前より韓国のインテリア業界でもその『用の美』が再認識され、現代の暮らしにとりいれられるようになり、日本でもその素朴で優美な趣に魅了され高い関心を持たれる方が増えています。
長方形の天板を持つソバンが初入荷いたしました。
地方によってそれぞれ形に特長があり、こちらは全羅南道羅州(チョルラナムドナジュ)地方で主に作られナジュバンと呼ばれるソバンです。
天板の四隅を削り角をなくし、まっすぐ伸びた四本脚、天板のすぐ下にある幕板と中間に浮かぶ横貫が特徴です。
裏面に未塗装の部分がございます。
やや光沢のある天板の四隅にかすかに周囲の草花文様が見えます。また漆の剝がれにより木肌が見える箇所がございます。
簡潔な佇まいと評される羅州盤。確かに華やかさはありませんが制作過程が多く、構造が緻密で丈夫です。
特に足を連結させ立てることが難しいとされています。
4本の脚は下に向かってゆるやかにしぼんでいます。がたつきは見受けられません。
幕板にも草花の文様が入っています。

銀杏の木
本来は座して使う道具ですがソファの横で読みかけの雑誌やカップを置いたり、お客様が来られた時はワインをのせておもてなし…和室のしつらえのひとつとして一輪挿しを飾ったり…窓辺に月を愛でながら晩酌も。
日本の現代の暮らしにもすっと馴染みます。
「用の美」…使われてこそ美しい。現代まで息づく古道具はいくつもの事象を見つめてきたからこそ輝き続け、これからも私たちを魅了してやまないことでしょう。
□ 素材: 銀杏
□ サイズ:およそおよそ49cm×35cm×H25cm
□ 古いものですので傷や天板の輪ジミ、色むら塗装はげや反りなどが見受けられますことご了承ください。アンティークですので薄い傷、小さな跡が見受けられますががたつきはありません。また韓国の工房にて補修を兼ねて脚部と天板の周囲にカシュ―が塗布されています。
無垢家具は生きています。
強い光に長時間さらされると、変色や塗装の原因になりますので、なるべく常時直射日光があたりにくい場所に設置してください。また極端な乾燥や湿気の多すぎる場所でのご使用も無垢木に変化を与えてしまいます。日頃のお手入れは乾拭きか硬く絞った布で拭かれてください。