ヨギダㇺギのうつわ
韓国の陶磁工房ヨギダㇺギさんをご紹介します。
ヨギダㇺギは陶芸の町・利川Ye’s PARKで日常生活で使われる陶磁道具を作られる作家イギョンランさん主宰の工房です。
外壁に描かれたおなじみのイラストがお出迎え。燦々と降り注ぐ光を受け、吹き抜けのあるとっても気持ちの良い空間です。
高い天井に伸びる壁面いっぱいに並ぶ圧巻のうつわたち。
陶人形や絵画、韓国で人気のカリモクのソファや仏像、扇風機など、コツコツ集められたという古道具にウイリアムモリスの壁紙。
東洋と西洋、伝統と革新が混在した店内に目が釘付けです。
なんと隣接された工房に通していただき、作業風景も拝見しました。バンダナを巻きエプロンをかけ作陶される姿のカッコ良いこと!次々にアイデアが生まれ華奢なからだからは想像できない数のうつわを制作されています。信頼されるスタッフの方々との会話も楽しそうです。
ヨギダㇺギさんの作るうつわの最大の魅力は感性あふれるイラスト。
長寿や安寧、家族の繁栄など願いを込めた民画に多大な影響を受け、導かれた彼女は民画を現代的に再解釈され、個性的なタッチで生物や草花、時には空想の動物を描いておられます。土の温かい魅力を伝えるため酸青土を少し混ぜた古白磁を用いられています。白磁の純白とは異なり少しブルーグレイの色味を帯びた柔らかな表情に黒点がところどころ見えます。壺においてはつるんとした光沢のある釉薬を施されているのが大きな特徴です。
以前は人形やオブジェを制作されていましたが次第に陶磁器の制作へと移られました。昔から持っていた道具のように日常に自然と馴染んでいってほしいと。作業はたいへんでも自分が作ったうつわにお料理を入れて使われることは、たいへん幸せなことと語られます。
華やかな彩りはありませんが、丁寧に描かれた彼女の描くイラストはレトロな趣もあり質朴な人間味を感じるのです。自然界の生物に民話にも通じた願いをこめながらひとつひとつ丁寧に筆を入れられています。見つめれば見つめるほど不思議な感覚を感じ、自然と彼女の空想の世界に誘われふわふわふわふわ…透明感もあり、洗練された空気をもまとわれた印象です。
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伝統とモダン、ギョンランさんの感性が詰まった唯一無二の作品。今回日本の皆さまの暮らしに加えていただきたく、たくさん集めました。
どれも愛おしく古い記憶がトントンとノックしよみがえり、また新しく始まるような…
韓国からやって来たヨギダㇺギのうつわ。
傍に置かれ、共に暮らされ、新しい物語を紡いでいかれるとうれしいです。
すべてイラスト、つぼのカタチが異なり1点ものになります。
2024年4月美術協力 ©TBSドラマ Eye Love You ミン・ハナさんオフィス
2025年お正月新春ドラマにも新作の壺が登場いたします。お楽しみになさってください。
韓国のみにとどまらずフランス・オーストリア・ニューヨーク・台湾などギャラリー展示も行われました。また信楽の地にも留学されたご経験をお持ちです。