新しい方の韓国レシピが始まります。2022年6月からの12か月はキムチや韓ごはんでお世話になっているトーヨー食研のキムサジャン(社長)にご紹介いただきます。
はちみつキムチや社長が作る数々のメニューの評判は高く飲食店のメニュー開発にも参加されています。おいしさへのこだわりは見た目とは異なりとても繊細…笑
大阪で生まれ済州島の味で育たれた社長秘伝のレシピをお楽しみください。
記念すべき1回目は「たれ」
撮影が進むにつれあれもこれも…お肉の包丁の入れ方まで教えてくださるというスペシャルバージョンになりました。
おいしい自家製タレを作る
○まずはトーヨー食研 キムサジャンさんからのhitokoto
ご家庭でより簡単手軽に韓国料理のレパートリーを増やすには…とあれこれ考えた結果、まずは用途が広がるベースの調味料(まずはタレ)のレシピからご紹介させて頂こうと思います。
最初は少し時間を要しますが作り方は簡単で冷蔵庫で長期保存できますので焼物、煮物、チムなどいろんな料理に活用できます。
まずリンゴたまり醤油をご紹介します。
醤油の旨味とリンゴの風味と砂糖の甘さが合わさったこのたまり醬油は、一度作ってストックしておけば日持ちしますしいろんな料理に使えてとても便利。このレシピシリーズで何度か必須材料として登場するので、ぜひ作ってみてほしい調味料です。
○材料
こいくち醤油 1000ml
上白糖(三温糖でも) 600g
リンゴ(中くらい) 1個半 ※よく洗って芯をとり皮付きのままスライス
みりん 360cc
酒(無塩) 270cc
すり生姜 小さじ2
○作り方
1 すべての材料を鍋に入れて砂糖がとけるようによくかき混ぜる。
2 最初は沸騰させ、吹きこぼれないように中火にし鍋底を時々ヘラでこすり混ぜながら10分ほど加熱する。
3 弱火にして時々混ぜながら30分加熱する。
4 ボウルにザルを敷き、濾す。(リンゴはヘラで押し潰すように)
※このリンゴは残しておくとカレーなどでチャツネ(醤油入)のように使えます。
5.冷ましたら密閉容器に入れて冷蔵庫保存する。
※消毒済みの容器に入れれば冷蔵庫で半年は全く大丈夫です。
このリンゴたまり醤油を使って市販品に負けない絶品焼肉のタレを作る
昨今どのメーカーの焼肉ダレも美味しくなっていますが、ぜひこのたまり醤油とお好みの果物などを使ってご家庭でオリジナルのタレを作ってみてください。いわゆる“無添加”(ここでは化学調味料・保存料・増粘剤不使用)で、果物の酵素が活きたおいしい「生のタレ」が簡単に作れます。お肉を漬け込むと酵素の働きでとても柔らかく仕上がりますよ。今回はキウイとパインを使ってみます。
○材料
a.リンゴたまり醤油 500g
b.おろした玉ねぎ 40g
c.キウイ 1/2個
d.パイン 20g
e.中粗唐辛子(あまり辛くない)15g ※業務スーパーなどで売っているキムチ用唐辛子でOK
f.生しょうゆ 大さじ1杯半 ※お好みで。なくてもよい
g.すりごま 大さじ1杯半
h.すりにんにく 大さじ1杯半
i.ブラックペッパー 1〜2g ※お好みで
○作り方
1 ブレンダーにaを約1カップとb.c.dを入れ粉砕撹拌する。
2 1と残りの材料をボウルにいれてよくかき混ぜる。 ※密閉容器に入れて冷蔵庫で保存。作った翌日が美味しい。結構日持ちはするが味が変わるので一か月以内で使い切りたい。
この焼肉タレを使った調理例「豚カルビ焼肉」
○材料
A 豚スペアリブ(肉厚のものがよい) 500g
B 上記焼肉のタレ(肉の約25%分量で) 120〜130g(約大さじ8杯強)
C 酒 大さじ2杯(適量でよい)
○作り方
1 Aのスペアリブは写真※のように肉厚のところから包丁を入れ開き、骨の肉膜にも切り込みを入れる。(食べる際、肉がはがれやすくなる)※一番下に包丁の入れ方手順の画像がございます。
○作り方
2 Bにつけて30分寝かす。
3 寝かせた肉をフライパンに並べてから火を点け中火で徐々に焼いてく。
4 少し焦げ目がついたら裏返し中弱火にしCの酒をかけ、蓋をして1分ほど蒸し焼きにする。
5 蓋をあけてタレを絡ませながら水分を飛ばす。(タレは焦げやすいのでフライパンをゆらしながら)
6 皿に盛り付けて完成。
○作り方のポイント
□リンゴたまり醤油…今回の利用法以外でもそのまま鶏肉に絡めて、フライパンで焼き鳥風にチムしてもおいしい。ここにニンニク・コチュジャンを加えるとダッカルビぽい味に。
□焼肉…今回はフライパンで作りましたが機会あれば野外で牛肉などを使ってぜひ炭火で試してほしい。このタレで漬け込めば安い牛肉でも本当に美味しく仕上がります。
“あなたのタレ”が笑顔と団欒を一助になるかも…
おまけ 焼肉用豚カルビ肉の包丁の入れ方
写真と文:キムサジャン(金社長)