韓国の画家 シン・ソンミ

 



2020年5月18日、光州事件が起きてからちょうど40年になります。民主化運動40周年を記念しソウル市では光州市と共同で「五月平和フェスティバル」※が開催されます。そしてそのポスターに使われている東洋画を描かれた方を今回ご紹介したいと思います。


男の子と女の子、文机に向かいお茶を飲む少女、お母さんのチマ(韓服のスカート)にギュッとしがみつく少女…数種類のパターンのデザインがありますがどれも美しい韓服を着た子どもが描かれています。古い絵のような静かな趣、やわらかな色彩と繊細な筆づかい…見る側の心をギュッとつかみいつまでも見つめていたいポスターです。


 



画家の名前はシン・ソンミ氏。
1980年生。妻であり、1児の子を持つオンマ(お母さん)です。
蔚山大学、弘益大学院で学ばれ2003年韓国国立現代美術館・第22回大韓民国大展を受賞、以降国内外で大活躍される若き東洋画家。


なかでも初期の作品で初の創作絵本でもある「真夜中のアリの妖精」シリーズは人気を博し、日本でもご存知の方が多いと思います。
ある冬の夜、高熱を患う男の子の前に蟻のように小さく親指姫のように愛らしい妖精が現れます。オンマは傍らでうつらうつら。夢なのか現実なのかあれこれ楽しい時間を過ごします。実はその妖精はオンマのかつての友でした。そう、少女時代に共に過ごした大切な…。


「食べこぼした甘いものをめがけ知らぬ間に群がる蟻。そんな蟻のようにふとした一瞬のすきに現れる存在がきっと起こっているのですよ。それは無垢な視線を持つ子どもには見えているもの。しかし成長するにつれ見えなくなり、感じなくなり、気づかなくなっているのです。」



ふとこんなことを思い出しました。
やっとおすわりができるようになった幼い赤ちゃんが上の方を見上げニコニコし、手を差し伸べたり声を発していたことを。アリの妖精さんが登場したのでしょうか?



 



シン・ソンミ氏は語られます…
「真夜中のアリの妖精」は私自身の物語。子どもの頃は身体が弱く眠っていると妖精たちが出てきたんです。実際にモノがなくなることが多く、ああまた妖精が持って行ったんだなと信じていました。そして子供たちにアリの妖精に会ってほしいと思いました。またこれは私の育児日記でもあります。絵描きですから絵を残そうと…今ではオンマよりゲームに夢中になってしまった息子ですが将来、どれだけオンマ(ママ)が自分を愛し大切にしたとわかってもらえたら…と。


小さな子どもはワクワクしながら妖精を探し、大人たちはそんな純粋だった子供時代のことを思いだし再び過去へと繋がっていくのです。



東洋画というと、山水などの自然や四君子といった花を描く伝統的なイメージですがシン・ソンミ氏の伝統画の魅力は伝統的な技法を用いながらも、韓服を通して現代の日常を描かれているところではないでしょうか。 伝統と現代…この振り幅にユーモアを感じ想像をかりたてられてしまいます。


 



韓服を描き始められたのは学生の頃。西洋的なものがおしゃれで東洋的なモノがひどく「ださい」と思われていた時代、「どうして今さら韓服を描くの?」と思われていたそうです。しかし日本人がきもの美人を描くように、韓国人なのですから伝統衣装を描くことが世界の人に通じ共感を受けるという強い思いを持ち、韓服に固執されたのだそうです。不思議なもので韓服は今では現代的にアレンジされ新しい装いを楽しむ人がとても増えています。チマを短くしワンピース風に着こなす姿を仁寺洞ではよく見かけます。


携帯電話や計算機に体温計、ソファやスタンド照明にペロペロキャンディー…今の道具を脇役に使いながらも衣服は韓服。思わずにやりとしてしまい、その表情や状況からどんどん物語を膨らませてしまうのです。


スケッチを起こし、韓紙にペンで下書きをし墨でラインを描く。髪の毛は1本1本、まつ毛も1本1本…。そして粉の絵具で色を置く。油絵のように上から厚く重ねるのではなく薄く薄くぬり十分に乾かす、また色を薄く重ね乾かす。紙本来の質感を生かしながら染色をするようにこの作業を幾度もくり返します。そう、膨大な時間が費やされています。


 



伝統技法と韓服で描かれる現代。
次はどんな21世紀の韓服の女性を見せてくださるのでしょうか。
眺めるのではなく読みこみ想像し郷愁へと誘う絵画。ずっと見つづけていたい画家シン・ソンミ氏です。


※新型コロナウイルス感染症の拡大予防及び市民の安全のためオンラインにて配信開催。



 

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