美しい板目、艶のある十二角のソバン
李朝の道具〜ソバン11
ソバン(小盤)=李朝時代に発達した足付きの小さなお膳です。
食事を運び、かつ食べるという、なんとも合理的な道具ですがその用の美が見直され多くのファンを持つくらしの道具です。
十二角の天板の艶やかさ…美しい板目は山水画のよう…
つま先がちょこんと外側に反った虎足の脚は李朝独特のデザインです。民画に出てくる虎のように、なんだか少し威厳を示しているような…。
スキー板のような足のデザインはオンドルの熱を逃がさぬよう床に油紙を貼っていた為、その紙を破かないための配慮からきたものです。そして天板の隅の縁が黒くなっているのは人が使い続けた跡…目利きたちは「馴染み」と呼び尊び、この「手ずれ」の跡が際立つものを好んで選んだと聞きます。
細やかな木目と軽さが特徴の銀杏の木材が使われています。
大木を切り、板にし、削りカタチを作りそして漆を塗る。
使い込まれた証の傷までもが愛おしく感じられます。ずっとそばに置いてください。
ソファの横で読みかけの雑誌やカップを置いたり、お客様が来られた時はワインをのせておもてなし、和室のしつらえのひとつとして一輪挿しを飾ったり…現代の暮らしにも溶けこみます。
女性が片手でも軽々と持ち動かせますので場所を変えてちょっと一杯…なんていうのも楽しいです。
「用の美」…使われてこそ美しい。現代まで息づく李朝の道具はいくつもの時代を見つめてきたからこそ、輝き続け、これからも私たちを魅了してやまないことでしょう。
よみものもあわせてお読みください
□ 1970年代ごろ制作
□ 素材:銀杏(いちょう)
□ サイズ:Φ36×H22cm
□ ありのままをお伝えします。以前の持ち主の方が手入れをしすぎたのか…天板に弧を描く薄い傷が見受けられます。輪ジミと少しのガタつきがありますがとても美しい状態だと思います。
無垢家具は生きています。
強い光に長時間さらされると、変色や塗装の原因になりますので、なるべく常時直射日光があたりにくい場所に設置してください。また極端な乾燥や湿気の多すぎる場所でのご使用も無垢木に変化を与えてしまいます。
日頃のお手入れは乾拭きか硬く絞った布で拭かれてください。